皆さんこんにちは。株式会社森田工務店の森田晃司です。
先日私がとある現場を見て回ったときのことを紹介します。
写真は、歴50年超の大ベテランの現役大工さんです。
このあと材木の覆いを解いて、またジーっと木を見ておられました。けっこう長い時間でした。
大工さんの仕事といえば、トントンカンカン、ゴリゴリゴリという音が聞こえてきそうですが、ただ座って木を見ているだけです。
もしかしてサボってる?
いやいや、大工と当社の名誉にかけて、違います、と申し上げておきます。
材木には、木の種類や部位によって、いろいろな特性や用途があって、大工は木を見ながら、その最適を考えているのです。
近年の材木は、プレカットといって、決められた形に製材されたものを現場に運び込んで組み立ててゆくことが多いので、仕事のテンポが速く、この大工さんのように手を止めて、こういう風にじっくり木のクセなんかを見つめる風景に遭遇することはあまりないです。
この御宅は、古い家屋を改装しているところですので、材質を合わせたり、無様にならないよう、じっくり見据えなければならない状況もあるのですね。
まさしく文字通り、適材適所を追求する作業だったのです。