皆さんこんにちは、株式会社森田工務店の森田晃司です。
先日、業界外の方と話をしていますと、話の流れからこんな話題が出ました。
『建設業の職人さんって、なんだかしょっちゅう休憩取ってません?』
いえいえ滅相もない、とは申しません。10時、12時、15時と、休憩はしっかり取ってもらっています。むしろ休憩せずに働いている職人さんを、他の職人さんが『おい、擱(お)こうや』とたしなめます。擱くとは、ストップする、という意味です。
よその業者さんのことは知りませんが、森田工務店では昔からそのようにしています。すべては作業員の安全と、作業効率のためです。
職人の仕事は、相撲の力士と同様、心・技・体を要します。
技は技術、体は体力として、心とは、仕事に臨んで気力を充実させ、集中力を高めることで、もっとも重要な要素です。まあ、どんな仕事でもそうですよね。
建築現場では、ぼんやり仕事をすることは許されません。他の事務や営業の仕事と違うのは、一瞬の不注意が大怪我につながるところです。どんな人間でも気を張り続けることはできないからこそ、自分たちでオンとオフ、緊張と緩和を作り出す、先人の知恵です。
余談ですが、私は子供の頃に水泳をやっていまして、呼吸を止めて水に潜ったまま60Mくらい泳ぐことができました。けれども、同じことをもう一度しようとしても、呼吸を整えないことにはできません。一方で、泳ぎながら息継ぎをして、呼吸がしっかりできていれば、3時間ぐらいは泳いでいられました。もちろん昔話で、今の私がそんなことできるはずもありません。
適度な息継ぎ・息抜きがあるから、集中力を維持して安全な仕事を続けることができるのです。息は抜いても、気は抜くな、ですよ。皆の衆、どうぞご安全に。ではまた。