皆さんこんにちは、株式会社森田工務店の森田晃司です。
『養生(ようじょう)』という言葉がありますが、どんな時に使いますか?
お医者さんと患者さんの会話に出てきそうですが、『健康に注意して過ごす』『病気を癒やす』みたいな使い方をします。私も昔はこのような意味でしか知りませんでした。もうひとつまったく別の意味があると知ったのは、社会人としてスタートしてからのことです。
公園や庭、ゴルフ場などで、芝生(しばふ)がありますよね。あの芝生は通常、勝手に生えたものではなく、芝草(しばくさ)を土の地面に貼って、人工的に生育したものです。芝は貼ってすぐの頃は、簡単に剥がれてしまいますので、しばらくの期間そっとしておいて、芝が土に根付くまで触ったり、踏んだりされないように、周囲に柵などをして立ち入り禁止にしておきます。これを『養生』といいます。芝がしっかり生育して地面に根が張れば、触ったり踏んだりしても大丈夫です。
では、ホームセンターなどで売られている『養生テープ』は、健康のためでしょうか?芝生のためでしょうか?違います。
養生には、もうひとつ意味があります。ご存知の方はご存知でしょう、運搬作業などの際に、周辺に物をぶつけて汚したり傷つけることがないように、シートやパネルなんかを使って保護することを、養生といいます。養生テープは、このために使われる粘着テープです。
建設現場で『養生』といえば、ほぼ3つ目の意味で使われます。傷だらけの新築の家は、誰だって嫌ですよね?そうならないように、完成しているところをしっかり保護します。
写真ですが、先日社長たちが現場の視察に行った際に撮ってきてくれました。
一見して畳の部屋?と思われる方もあるかもしれませんが、そうではありません。これは、すでにできている床を、養生パネルを敷き詰めて保護しています。畳の縁(へり)に見えたのは養生テープです。しっかり養生した床の上に、隣の部屋で使う材料を置いています。畳の上に直接こんな材料を置いたら、傷だらけで大変なことになります。
ところで、この現場はとてもきれいです。べつにきれいな部分だけを撮影しているわけではなく、どこを見てもきれいに片付いています。この現場の大工さんの性格と技量がわかります。
この大工さん、顔写真を撮ろうとすると、いつも嫌がるシャイ・ボーイです。俺の顔を見るな、仕事を見てくれ、ということにしておきます。顔面を『養生』した状態なら撮影を許してくれるでしょうか?
などとあまり邪魔をしたら怒られますので、今度暇なときに聞いておきます。ではまた。