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代々大工の親父

  • 2021年11月10日

皆さんこんにちは。株式会社森田工務店の森田晃司です。

皆さんは、自分の「ご先祖さん」がどんな人で、何をしていたか、なんて考えたことはありませんか?

私も子供の頃、父に尋ねたことがあります。日本の歴史にからめて、織田信長とか、源頼朝とか、有名人にたどりつくのかと、気になっていたのです。

父の口からは、歴史上の人物の名前など出てこず、こういう答えが。

「大工の親父や」

じゃあ、その前は?

「大工の親父や」

もっと前は?

「大工の親父や」

興味がなかったのか、子供に分かりやすく伝えたのか。つまるところ、ご先祖さんは皆、代々大工の親方ということです。私はなんだかがっかりした覚えがあります。親父という言葉を誤解していたからかもしれません。

昔の親方は、弟子を預かり、衣食住の面倒をみて、建築技術を指導育成するという意味で、親父と呼ばれました。まあボスですね。

昔の時代ですから、労使関係というより、それこそ主従関係に近く、弟子や職人に対して、強権を持っていました。

オヤジというと、お父さん、中年男性をさしていう言葉で、ダメオヤジ、オヤジ狩りなど、ともすれば蔑称のようにも使われますが、建築の親父はそうではなくて、敬意と親愛の情をこめた呼称です。

言葉の意味は、時代とともに変わってゆきますし、またご家庭によっては、父親の家長としての威厳も時代と共に薄れているでしょう。

 

私も先日小さな息子に、ご先祖さんはどんな人かと聞かれましたので、「大工の親父や」と同じように答えてやりました。

息子はどう思ったでしょうか。また、ご先祖さんはどう思っていますでしょうか。

ではまた。