皆さんこんにちは、株式会社森田工務店の森田晃司です。
倉庫を整理しておりますと、森田工務店100年の歴史のうち、昭和30~40年代のものと思われる道具がときどき出てきます。
これはなんでしょうか。
番頭さん達も、はじめはピンと来なかったようですが、ベテラン番頭さんが「あっ」と声をあげて「これ、あれやなぁ~」と。これがあれではわかりません。
モイスチャーメーター。材木の中に残っている水分を計る器械のようです。含水計、水分計というのでしょうか。現在はもっとデジタルでシンプルな道具ですが、こちらはいつ頃の製品でしょうか、ずいぶん大きく、ずっしりしていて、実に昭和っぽいです。
樹木は水を吸いますので、これを伐採して丸太にしたとき、すぐに製材せず、しばらく放置します。これにより、木の中に残っている水分が蒸発し、丸太は少し小さくなります。その後製材してから、もう一度乾燥させることにより、いっそう材の強度が上がるそうです。
水分が多いまま材として使用すると、後から変形(反ったり割れたり)することがあるため、一般的には構造材(柱や梁など)なら含水率20%以下に、内装材(床板や壁板など)は10%近くまで乾燥させるといいます。このへんは、材木屋さんのほうがもっと詳しいでしょう。
今は人工乾燥技術が向上し、いい建材が揃いますので、通常、この含水計の出番はありませんが、昔の材は自然乾燥でしたので、職人さんは含水率に注意しながら材を見極めて使う必要があったのですね。
…という説明を簡略化して、「これは、あれだった」ということです。ご理解いただけましたでしょうか。ではまた。