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昭和30年代の建方

  • 2022年11月2日

皆さんこんにちは、株式会社森田工務店の森田晃司です。

またまた古い写真が出てきました。昭和30年代と思われる、建方現場の写真です。

クレーンもないので、材の1本1本を人力で上げてゆきます。現在でも、クレーンが入らないような細い路地の現場では、「手上げ」といって皆で協力して資材を搬入してゆきます。

興味深いのは、よく見ると誰一人、フルハーネスはおろか、ヘルメットさえかぶっていません。今の常識でいえば、悪質な不安全行動、ただの悪い見本ということになりますが、当時はどうだったのでしょうか。

この当時ヘルメットは『保護帽』としてすでに存在していたはずですが、実際のところ、職人さんの間では、まだ着用の習慣がなかったのでしょうね。これより古い現場写真は今のところ出てきませんが、これ以前は、袢纏(はんてん)を着て、地下足袋(じかたび)をはいて作業をしていたと聞いています。もしそういう写真が出てきたら、紹介したいと思います。

時代が変われば、常識も変わるもので、日本はこの後、高度経済成長に突入します。作業時における保護帽(ヘルメット) の着用も徐々に浸透し、作業員の服装も変わり、安全意識も年々高まってゆきます。そのように考えれば、『日本建築史における現場安全意識の変遷とその過程の考察』研究の資料として、たいへん貴重な一枚といえます・・・というと、ちょっと学術的でカッコよく聞こえませんかね?ものは言いようですね。皆さまどうぞご安全に。ではまた。