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育てるということ

  • 2023年1月24日

皆さんこんにちは、株式会社森田工務店の森田晃司です。

先日、仕事の都合でいつもより早く事務所に戻ってきた見習い君、手持無沙汰にしている様子を見た番頭さんから「応接室の扉、治しておいて」と注文を受けます。

「はい」とすぐ動くところはとてもいいのですが、まだ勉強中の見習君、扉が最後まで閉まり切らないこと、経年で木製扉に歪みが生じていることは、見てわかった。けれども、どこをどう調整すればよいのか「?」となるわけです。

「どうしたらいいですか?」わからないことを率直に番頭さんに聞いたのはエライと思います。が、返事した番頭さんは、もっとエラかった。

ひとこと「自分で考えろ~」。

一見、冷たく突き放したような回答です。そりゃ見習君も戸惑っていましたよ。けれども、一人前の大工になるためには「考える力」を持っていてほしいのです。職人として、技術面の向上は当然大事ですが、考える力は同じくらい大切です。

番頭さんは戸惑う見習君を放置したりしません。次の瞬間には番頭さんはデスクから応接室までやって来て、フォローしてくれます。その説明がまた扉のあちこちを指さしながら、ドアの力のかかり具合とか、金具の位置関係とか、とても具体的で、見習君が自分で気づくように、ひとつひとつ導びこうとしているのが印象的でした。

考えもせずに「うまくいく方法」「正解」ばかりを知りたがる人がいます。マニュアルを要求し、その通りにできることを大事にしている人たちです。実際に社会では、そういう人材が求められ、評価される局面もあります。しかし、彼らが手にするマニュアルには「自分で考えろ」とは書いてないでしょう。

なんだかんだ言いながら、皆優しい人ばかりです。私がふらっと現場に行きますと、職人さんや業者さんからもよく言われます。「森田さんとこの人はみんな優しいですわ」私自身もそう思います。

さてさて、この大工見習君がどう考え、どう気づき、どう行動し、そして当社の応接室扉がどうなったか。ということは、ここには書きません。気になる方は一度当社においでください。これからも応援よろしくお願いします、とだけ書いておきます。ではまた。