皆さんこんにちは、株式会社森田工務店の森田晃司です。
屋根作業シリーズ第3弾。屋根の葺き替え工事ですので、工程としてはまだ第1段階の【現在の瓦を下ろす】ところです。
さて前回の続き、接着剤代わりの葺き土を除けますと、下から見えてきたのは、1辺が24㎝、厚さ2~3㎜程度の四角形の木材。屋根の下地一面に重ねて敷き詰められております。【板】というには薄すぎます。材はヒノキでしょうか。
これは【トントン】という伝統技法で、現在の新築ではまず見かけません。
建物の構造上、屋根は「垂木(タルキ)」という骨組みの上に「野地板(のじいた)」を張ります。写真でも一部トントンの下に野地が見えています。
現在の技法では、この野地板の上にルーフィングと呼ばれる防水シートを張るのですが、トントンはこのルーフィングの代わりで、やはり防水の役目を果たします。水を防ぎ、さらに湿気を逃がしてくれる=腐りにくいという特徴があり、実に理に適った技法です。
ただし1枚1枚「トントン」と打っていきますので、手間と費用がかかるため、昔の家でもトントンを葺いていないものもあります。
さて土を下ろしましたので、次回から新しくルーフィングを張り、瓦を葺いていきます。どんな屋根になるのでしょうか。ではまた。