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床柱(とこばしら)をアップサイクル(その1)

  • 2024年1月11日

皆さんこんにちは、株式会社森田工務店の森田晃司です。

年末の大掃除では、ちょっとした端材であったり、金物であったり、大量の廃材が毎回ごみとして処分されます。

中には素人目にはまだ使えそうなものもあり、あ~、もったいない…となるのですが、プロに言わせれば「ここがこうなっているからもう使えない」と。廃材を乗せたバッカンが搬出されてゆくたびに、唱歌【ドナドナ】がBGMとして聴こえてくるのは私だけでしょうか。

その廃材の中に、我が家のリフォームの際に取り外して引き上げてきた【床柱(とこばしら)】がありました。気の利いた職人さんが、解体の際に比較的ていねいに取り外してくれていたので、材の形状をしっかり保ったままです。

日本建築において、特にお客さんをお通しする客間=お座敷の一角に一段高く設けられた特別な空間を【床(とこ)の間】といいます。床の間の隣は床(とこわき)と呼ばれ、飾り棚や物入れ(天袋、地袋)があったりなかったりするのが、伝統的な座敷の造作なのですが、これら床の間と床の間を仕切っているのが床柱です。

構造材として建物をしっかり支える役割を負う部材ではなく、化粧材といって、常にお住まいの方、そして訪れるお客様の目に触れる部材ですので、床柱はそれぞれ形状、色、質感など、さまざまな趣向を凝らしてあります。

そんな40年以上昔に作られた化粧材といえばそれまでですが、こまかな傷や、他の木材と接合する部分のホゾ(大工さんが加工した穴)などは残っているものの、材そのものの状態は非常によく、堂々とした1本ものです。かっこよくいえばオーバー40のナチュラルダメージング・エイジングヴィンテージといえば、なんだか急に値打ちが上がったように聞こえますな。なんでもカタカナにすればいいってモンではない?ごもっともです。

それにしても、せっかくのデザインだし、リフォームの名残(なご)りとして、どこかで何かに流用・転用できないものか、としばらく考えておりましたが、結局使い途が見つからず、店の倉庫に戻ってきていました。

このままだと廃材としてバッカンに乗せられて、ある晴れた昼下がりにゴトゴトと運ばれてゆく運命…。

さあ、この床柱はどうなったでしょうか!次回につづく!ではまた。