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大工は生木を伐らない?

  • 2025年5月16日

皆さんこんにちは、株式会社森田工務店の森田晃司です。

先日、森田工務店が住宅を立てさせてもらっている現場で、一斉に周辺清掃を行いました。私も茨木市の現場まで視察がてら行ってきました。職人さんの顔を見て、話をしたいから、いい口実です。仕事の邪魔をしない程度に顔を出します。私が訪れた現場はきれいで、ちょっとごみを拾うぐらいで済みました。

やがて各現場から清掃完了の報告が写真とともに上がってきます。ある現場から大工さんが送ってくれた写真がこれです。

お隣さんとの境界線のあたりから雑草が…、いやもはや木でしょうか。タフな種が溝の隙間に落ちて、こんなことになったのでしょうね。

「ちゃんと草引きしてくださいよ」

「無理です。もう草ちゃいます」

「あんた大工やったら、ノコかなんかで伐ったらよろしいやん」

大工は生木を伐ったらあかんのです

生きた木をむやみに伐ってはいけない、というのは私も遠い昔に聞いたことがあります。

余計な殺生をするな、という考え方なのでしょうか。もちろん林業従事者や、土木・造園業者、お花屋さんなどは、それを仕事にされているわけで、こんなことを言うこと自体失礼だと思いますし、悪く言うつもりはまったくありませんが、例えば土木屋さんなんかが特別なご神木なんかを伐採しなくてはならない時には、お祓いをして、お神酒(みき)を供えて、木の神様や土地の神様を怒らせないように、というようなこともされるそうです。

建物づくりには、どうしても危険が伴います。だからこそ私たちは日々社員や職人の無事安全を願っていますし、氏神さん(神社)にみなの安全祈願もします。近頃は少なくなりましたが、地鎮祭もその最たるものではないでしょうか。

職人さんの中にはタブー(禁忌)を避け、縁起(えんぎ)を担(かつ)ぐ方もあります。昔からの言い伝えを迷信と断じてしまうのは簡単ですが、意外に歴史的教訓に根ざした科学的な根拠があって正しかった、なんてこともあります。自分に危害が及ばないように、タブーを避けるというのは、現場の職方ならではの安全管理のひとつといっていいと思います。

鋸(のこぎり)で生木を伐ると、乾いた材木と違っておがくずに水分を含んでいるので、刃が錆びたり目詰まりをして切れ味が落ちてしまうとか。生木をむやみに伐ってしまうと土砂災害を引き起こすとか。

言われてみればなるほどわかる気がします。わかる気がするので、とりあえずその溝に生えた邪魔な雑木、早く切ってくれませんかね?

いやいや、皆さんの安全が第一ですがな。ではまた。

 

 

 

 

 

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