皆さんこんにちは、株式会社森田工務店の森田晃司です。
先日、私の目の前で小番頭が、これまた当社の大工見習君に「ゴクツブシ、クズ、ベラボウ、何ができんねん」と言うわけです。
まさか言葉の暴力?指導にしては行き過ぎている?アンタ、そこに愛はあるんか?という話ですが、大工見習君の方もなかなかタフな奴でして「さあ、わからないです」
【ゴクツブシ(穀潰し)】ろくな働きもせず、飯ばかり食らっている者
【クズ(屑)】役に立たないもの、ごみ。人格が卑しく道徳に反する言動をする者
【ベラボウ(篦棒)】人をののしる言葉。ばか、あほう。並外れてひどいこと。
私の理解ではおおよそこういう意味なのですが、ひょっとして小番頭が言っていたのは建築用語?と思って、後日、ベテランの大番頭のところに聞きに行ったのです。すると。
「ゴクツブシ?そら、晃司君のことやろ」と、サングラス越しにニターっと笑うんです。私はショックのあまり、ご飯ものどを通らず、夜も眠れないかと思ったのですが、まあいつも通りご飯はおいしく頂いていますし、夜もよく眠れるわけで、まあ通常運転です、はい。
結局、問題発言?疑惑の小番頭に、これどういう意味なん、と尋ねますと、
「落語のネタですわ」
種明かしをしますと、ゴクツブシ(穀潰し)というのは、穀物、とくに白米のご飯粒を潰すということです。日本で昔から伝わる生活の知恵で、ご年配の方はご存知かと思います。つぶれてねちゃねちゃになった白米が乾くと、今度はカチカチに固まります。糊(のり)状になった米粒=米糊が、接着剤の役割を果たすんです。
そしてペースト状になるまでご飯粒を潰すための道具として、木箆棒(きべらぼう)を使います。
次にクズの出番ですが、ここでいうクズとは、材木を鋸(のこぎり)で切る時にでる木屑(キクズ)=鋸屑(おがくず)のことです。米糊に木屑を混ぜて木ベラでネチネチと捏(こ)ねて何をするかと言いますと、たとえば大工さんが材木に間違って釘を打った時、空いた釘穴を補修するのに、このネチネチした米糊+木屑を穴に押し込むことで埋めます。これが乾きますと、釘穴が目立たなくなる、というリペア技だというのです。今では米糊より便利で手間の少ない木工用ボンド+木屑を合わせてできます。
といったところで、今回のブログタイトル【ゴクツブシとクズとベラボウで何ができる】の答えとしまして【失敗の穴埋めができます】と、こういう話でございまして、決して小番頭の問題発言ではございません。
むしろ「ゴクツブシ?そら、晃司君のことやろ」と言った大番頭の方が大いに問題アリじゃないのか、と思われた全国1000万の森田晃司ファンの皆さま、大番頭の発言は「アンタ、そこに愛があるんか?」と問うまでもなく冗談だと私は理解しておりますので、ファンの皆さまにおかれましてはぜひとも冷静なご対応をお願いします。
とまあこのように森田工務店は楽しくやっておりますので、今後ともよろしくお願い申し上げます。ではまた。