皆さんこんにちは、株式会社森田工務店の森田晃司です。
3月3日、ひな祭りですね。私も娘が生まれたとき、松屋町まで喜んでひな壇を買いに行きました。うちはマンション住まいですので、お内裏(だいり)さんとお雛さんと、ちょっとした小道具だけの、ささやかなお祭りです。
ところで皆さん、お内裏さんとお雛さんの右・左の配置はご存じですか?
ひな壇に向かって、お内裏さんは右、お雛さんは左、というのが京風、昔ながらの配置方法です。これは方位(方角)を大事にした考え方によるものです。
お内裏さんとは、天皇やご一家のおられる場所、転じて天皇さんのことを遠慮して呼んだものです。昔の天皇さんは【天子南面】という中国の考え方に則って、座る場所も決まっていたんですね。南に向かって、北を背にしてお座りになります。
次に考えるのが隣のお雛さんとの関係性=序列です。
日本では東西南北(とうざいなんぼく)といいますが、麻雀をされる方はご存じですね、中国では東南西北(トンナンシャーペイ)です。太陽が昇る東が一番に来ます。
したがってお内裏さんが南を向いたときの東側、すなわち左側が上席(優位)で、その右隣が次席、ということになります。ですので、ひな壇を飾るときに、向かって右側に配置したということです。
ところが明治時代にはいって、天皇さんは東京(江戸城=現在の皇居)に移られました。さらに欧米諸国とつきあうようになってからは、西洋風の序列である、男性が女性の右側に、という世界基準に、日本の皇室も合わせるようになったので、ひな壇においてもお内裏さんを向かって左に置くように変わっていきました。西洋には東洋とちがって方位を大事にする考え方はないみたいです。
私えらそうに、方位がどうのとのたまっておりますが、うちのひな壇のお内裏さんには、マンションの間取りの都合上、東を向いてもらっており、まったく申し訳ないことです。
けれども、子の成長を願う親としての気持ちは、世界中のどこの国の皆さんとも、きっと同じです。
ではまた。